鳥類的雑記帳

色々と思っている事を書き連ねていくつもりです。

ツクール記録1

さっそく放置してた。

 

とりあえず最近またのんびり作り始めたけど、クエストを受注するシステムが意外と難儀している。

たとえば酒場でクエストの一覧を見て、その中から選ぶっていうシンプルなシステムでも、既存のプラグインじゃできなさそう。いくつかのプラグインを弄って対処するしかないけど、あんまり大掛かりな改造はできないのでどうしたものか。

 

RPGツクールMVで

ゲーム作りなんてしてみようと思って、実は7月半ばから始めている。

 

1年くらい前からなんとなくアトリエシリーズっぽいゲームのシナリオ(あくまで物語のあらすじだけ)を考えていた。だから、それを具現化してみたいと思ったのだ。

それとは別に、やっぱり何か作ってないと落ち着かないと考えたこともある。

7月の間は仕事から帰ってきたらすぐにPCに向かって作業していた。かなり楽しかったが、今はちょっと難所にぶち当たって停滞している。

 

久々にブログに書いたのは、制作再開にあたり備忘録的に書いていこうと思ったから。

 

まぁあまり長くは書かず、細々と続けていきたい。書き始めると色んなことが頭をよぎってつい長くなるのは、悪いクセである。

 

あとゲーム的にもしっかりしたものを作りたいとは特に考えていない。あくまで頭の中にあるキャラたちを動かす土台が欲しいわけだ。小説とはまたちょっと違うアプローチをしたいというのもある。

というわけで素材とはほとんどフリーのを使いまわしている。まぁ本格的にやるなら誰かに書いて貰う必要があるし、そういう意味でも最初にゲームとしてある程度作っておくのは、人集めする上で大切だろう。

 

長くなってきたので、とりあえずこの辺で。

【C90】武楓小説「一番星のあなたへ」を発行します。

だいたい1年ほど前に、武楓のくっそ長い小説(↓)を投稿したところ、おかげさまで大反響となりました。ありがたやありがたや……。

 

「To my first star」/「れむまる」の小説 [pixiv]

 

そこからちょくちょくと、色々な方々の暖かい声を頂きつつ、久しぶりの創作活動をさせてもらっていました。

 

そしてアニメも終わって半年以上。そろそろ別ジャンルでの活動もアリじゃない? みたいな雰囲気になってきましたが、その前にやっておかねばならぬことがある。

 

なんせ、一番書きたかった部分を書いていない。

 

 

 

……という思いがあって、ようやく本が出来ました。

 

 

 

コミックマーケット90 8月14日(3日目)

東Y35a CawaSmileにて、

武楓長編小説「一番星のあなたへ」を販売させてもらいます。

B6版で248P、1500円での配布です。なにとぞ、よろしくお願いします。

(なお、CawaSmileは友人である蒼羽くんのサークルとなり、委託販売をさせてもらいます。CawaSmileの新刊も、ぜひよろしくお願いします)

 

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(イラスト:判例さん

 

 

内容としては、若干の加筆修正を加えた「To my first star」を収録し、さらにアフターエピソード「For my first star」と「一番星のあなたへ」という二本の短編を収録しています!

 

サンプルはこちら

www.pixiv.net

 

 

また、今回の表紙は判例さんにご協力をお願いしました。

本作のテーマのひとつは「ハッピーエンド」ですので、まさにうってつけのお人であるわけですね!

しかもとても力を入れてもらい、イメージ通りのイラストに仕上げていただきました。感謝してもしきれません。なお、表紙となる上記イラストは、アフターエピソードのワンシーンをイメージしたものになります。どういう経緯でそうなるのか、ぜひとも確かめていただければ!

 

 夏コミはよろしくお願いします!

舞台「クジラの子らは砂上に歌う」感想

 2016年4月、「クジラの子らは砂上に歌う」の舞台公演が開催!

 本屋で原作の表紙に一目惚れし、即座にまとめ買いして大ハマリした筆者的に、これは外せないイベントとなりました。

 AiiA Tokyo Theaterにわざわざ長野くんだりから、特急電車に揺られて行ってまいりました。

  会場があんまりよろしくない場所と聞いてたんですけど、私はなにぶん舞台なんぞ素人もいいところ。特に文句なく、こんな所なのかーと軽い気持ちで入場しました。むしろ渋谷の人の多さのが辛かったよ。

 

 が、問題だったのは客層の男女比率……!

 周りは9割、は言い過ぎでも7割は女性……! レーベル的に当たり前……! 長野から1人でやってきた男オタクとしてはもうこの時点で死にたい……! でかい体ですまん……!

 開演までひたすら縮こまってました。縮こまりながら買っておいたパンフレットを見ながら、「場違いでスマンな」とか思ってたり。

 あ、でも3割くらいは男性だったんですよ。しかもカップルではなく、男友達と来てたり、僕みたいに1人で来てた人が結構見られましたね。「クジラの子らは砂上に歌う」はレーベルこそ少女漫画系列とはいえ、展開は全くその辺を感じさせないので、まぁ納得かなと。

 

 待ってる間、携帯電話とかに関する注意事項とかあったんですが、チャクロ役の赤澤燈さんがチャクロになりきってアナウンスしてくれてました。原作知ってる人なら、この時点で原作が大切にされてると気づけたのではないか。

 

 で、開演したわけですが、とりあえずネタバレにならない感想をまず。

 

 

 最高だったわ……。

 

 

 「舞台とかww」みたいな感覚があった僕の脳天をぶち抜くかのごとく、夢のような2時間半だった……。パーフェクツ……パーフェクツ舞台……。

 

 ネタバレが嫌な人用の感想をまず置いておこうと思うで、キャラへの簡単な感想から。あくまで原作消化済みの目線なのでその辺よろしく。あとチョイスは完全に好み。

 

 

・チャクロ

 正直なところ、一番原作とはイメージが違うって印象。ただそれは舞台化する際にキャストを振り当てたことにより生じた変化かな、と。担当の赤澤燈さんは間違いなくイケメンなんだけど、原作チャクロは女の子っぽいから致し方なし。

 それでもきちんとチャクロのキャラクターを理解されているのか、根っこの部分はまさしく「ハイパーグラフィア」を患う泣き虫少年でした。ちょっとやんちゃ成分多めになってるかな?くらいで。言ってみればキャラデザインだけ舞台用にリファインされたチャクロって感じです。

 

・リコス

 ごめん、一番期待してなかった!(暴投

 だって表紙のリコスに一目惚れしたし、クジ砂で一番好きなのもリコスなんだ……!オタクの妄言だとして許して欲しい。

 でも、蓋を開けてみたら完璧にリコスだった。キャラデザイン的にあの雰囲気を出すのは凄く難しいかと思うのですが、その分を演技で補っている感じです。特に声の雰囲気が完璧だった……。彼女は恐らく物語の展開上もっとも内面が変化している人物ですが、その変化をきっちりと押さえていて、「もう分かったよ!俺の負けだよ!」って感じ。一番期待してなかったのは本当だけど、その分一番(良い意味で)裏切られた子でした。ブラボー。

 

・オウニ

 パーフェクツ……! パーフェクツキャスティング・オブ・オウニ……!!

 と謎の賞賛を送りたくなるほどに、完璧なオウニ。もうアニメ化とか映画化あってもコイツがやればいいよ!ってレベル。オウニは男でも惚れ惚れするくらいなイケメンだけど、もう舞台でも佇まいからしてイケメンだったね。そりゃ二ビも惚れるよね(違

 もう全部良かった感じですが、あえて一個上げるなら殺陣かなやっぱ。オウニが暴れまわってる感じハンパなかったです。サイミアの表現については後述。

 

・スオウ

 パーフェクツ……! パーフェクツキャスティング・オブ・スオウ……!!(2回目

 こっちもこっちで、あの雰囲気を出すのは中々に難しかったと思うんですけど、演技でちゃんとスオウだと分かる。なよっとしてる感じの中にちゃんとした芯を感じました。

 

・サミ

 こっちもこっちで良いサミだった(謎

 しかもヒロインポイント盛られてる。

 色々と言いたいことあるけど、この子に関してはほぼネタバレだよ!!

 

・ネリ、エマ

 一番かわいかった(確信

 こっちもネタバレばっかだから後述

 

・ギンシュ

 パーフェクツ……! パーフェクツキャスティング・オブ・ギンシュお姉さま……!!(3回目

 凄かった……。多分原作に比べて出番盛られてるけど、それも納得の魅力。っていうか原作でもリコスの次に好きだよギンシュ。

 こっちも殺陣が良かった。オウニはかっこよさ重視って感じでしたが、ギンシュは何とも爽快感溢れる動きだった。役者の人、ペルソナとかもやっててその辺わきまえているのか、実にツボを抑えた演技でした。あざとい……なんかもう言動の全てがあざとい……!

 

・オルカ

 リコスの兄。恐らく原作でもラスボスなんだろうけど、この舞台ではさらにラスボス感溢れる立ち振舞い。お前はセフィロスか何かかというくらいに色々とやらかしてる。凄い。

 

・ラシャ

 原作読んでても誰だそれって言われそうですが、思い出して欲しい。良く分からないおばあさんがいたはずです。あと7巻的に正体も何となく……って感じですね。

 でもこの人の演技がまた良いんだ。要所要所で出てきた物語を引き締めていく。完全にダークホースだったよね。ビバ、印象に残るババア。

 

 

 ってな感じで、他のキャストの人もほとんど完璧に原作キャラを再現してました。ここまで出来るのかすげぇなぁってしきりに感心していたのである。まだ見てなくてこれから見るけど、ちょっと不安あるかも……という人よ。全く問題ないぞ。保証するぞ。

 

 

 というわけで、ネタバレ感想。まぁ原作知ってたらそうでもないけど。

 

 

 

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Twitterにて

 

 

これ。

 

長くなりすぎたのでこっちに。元々はこういうくだらない記事を作るブログだったのだ……!

 

いや今までのもたいがいだけど。

 

 

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小諸なる古城のほとり……

めろんぶっくすのDL販売で、武文合同「文武良道」絶賛(?)発売中!

www.melonbooks.com

 

 

というわけで、そんなSideF的何かを書いて寄稿したわけですが、ヒロインたる鷺沢文香は、長野出身の読書家です。この合同誌の話が出た時、読書家の面を取り上げた話にしよう、と何となく思ったのでした。

 

長野、かつ読書家、ときて思い立ったのが「島崎藤村」です。現在は合併などによって岐阜県出身ということになりますが、その前なら長野県木曽郡出身の人。岐阜の人とするか長野の人とするか、どちらが良いかはよくわかりませんが、とりあえず「信州の人」という括りであることは間違い無さそうです。

 

島崎藤村の代表作に、「破戒」と「千曲川のスケッチ」があります。また、詩人としても活動しており、「千曲川旅情の歌」も有名です。実際の原稿にはその辺りを取り込んでお話を作ってみました。

 

千曲川と言えば、新潟へ続く信濃川の内でも長野県下を流れる部分を指す言葉です。特に「千曲川のスケッチ」および「千曲川旅情の歌」においては、長野県小諸市における千曲川を指します。

 

長野県小諸市は、長野県西部にあります。軽井沢の近く、あるいは上田の少し南、と言えば通じるのでしょうか。まぁ長野に住んでいる身からしても、何も無いところです。

 

藤村はそんな小諸で教鞭をとった事もあり、また前述のように小諸をモチーフにした作品も発表しています。長野県出身の読書家の少女を書く上で、これほど都合の良い作家も他におるまい、と思い、島崎藤村を取り上げたお話を書いたのでございました。この辺、設定がわりとゆるいシンデレラガールズだからこそ出来る捏造です。

 

で、そのための取材として、小諸市にある懐古園にまで足を運びました。県外の方が来る場合は、まず軽井沢あたりを目指し、そこからローカル線に乗り換えての旅になるかと思いますが、僕は車でざっと1時間半ほどで着きました。

 

日付は11月の初め。まさに紅葉の季節。その辺も狙って行ったのですが、懐古園は紅葉の名所としても有名です。そういう意味でも、興味がある人は一度行ってみると良いかもしれません。

 

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伝わらない二次創作

 新年に入ってから凄い小説同人誌を読みました。一言で表すと「ひどい」なのですが、別にお話がどうという事はなかったです。いえ、周りには話を嫌っている人もいましたが、僕はそれが最大の理由だとは思えません。

 とにかく訳がわからない状況の連続でした。作者が書きたいことの1割も伝わってこない。キャラの状況どころか、世界観すら行方不明になるとか、これ本当に二次創作の同人誌なのかと我を疑うくらいでした。

 では文章が上手くないのかというと、そうでもない。かなり癖が強いとはいえ、下手くそ過ぎてわからない、というものではなかったのです。

 

 そもそも小説における「つまらないと思われる原因」は、大きく分けて3つだと考えます。「文章がつまらない」「お話がつまらない」「説明不足すぎる」です。これについて考えていこうというのが今回の記事ですが、対象を二次創作に限ります。一次創作は色々と僕の手に追えないので、慣れ親しんできてなおかつ新年にぶち当たった問題作を基準に考えているからです。

 また、ここでいう「創作」とはSSを含め文章を使って物語を描き出すことだと考えてください。

 ともあれ、二次創作において「文章がつまらない」ということが問題になることはそうそうありません。文章で惹きつけるのは文芸小説の領域です。二次創作において必要なのは「最低限の読みやすさ」なのです。同じ文末が連続しないとか記号の処理をちゃんとするだとか、その程度です。二次創作の本場は広大なネットの海ですが、そこにいる読者からして文章の美しさを求めているわけではありません。そういう人は一般文芸の本に行くはずです。そうなると、SS書きに求められているのは、こういうくだらないブログを書き散らす程度の、最低限の日本語使用能力だけです。

 なので二次創作で問題になるのは後ろの2つですが、「お話がつまらない」というのは感想にはなれど、「これは最悪だ!」というほどの傷にはならないでしょう。そもそもSSと言っても色々あって、中身の無いイチャラブ物というSSもあるくらいです。少なくともネットに軽い気持ちで上げるSSにおいて、そんな深い中身を求めるのも酷な話だと思います。アマチュアがさらりと書く、という部分にも二次創作らしさはあるはずですから。まぁ、同人誌のようにお金など対価を要求する場合は、その限りではありませんが。

 二次創作において酷評され傷となり得る問題は「説明不足」という一点だと考えます。二次創作は本質的に原作から異なる要素を良しとする「懐の広さ」を、書き手にも読み手にも要求するものです。そういう状況で問題となるのは、そもそも何を受け入れれば良いのかすら分からない、ということです。これはキャラの動き方やカップリングといったほとんどの要素に絡みます。何でもアリな二次創作において「これはダメだ」と言われる原因のほとんどがこれだと思うので、もう少し掘り下げていきます。

 

 原作という1つの基準がある以上、説明不足という状況に陥ることは少ないと思われるかもしれません。しかし一次創作において細かい世界観を説明する手間が省けるというだけで、多くの事柄を説明する必要性は二次創作においても残ってくるのです。むしろ「原作を元にしているから説明しなくても大丈夫」というフィルターがかかる分だけ危険だと思えます。

 最も分かりやすい例が、原作ではほとんど接点の無いキャラクター同士のカップリングを書く場合かと思います。それ事態に問題があるとは思えません。Twitterなどで好きに妄想を呟くのは自由ですし、色々とやってほしいとも思います。けれど創作においては全く別です。読み手というものを意識しなければならず、その読み手と作者の間には必ず溝があるからです。言うまでもなく、その溝は「原作にないカップリング」という点です。当たり前ですが、読み手の出発点は原作であり、そこからどの程度の妄想を許容出来るかは個人に委ねられるとしても、かならず原作を意識しているはずです。そこへ「原作にはない要素」がねじ込まれるわけですから、必然的に溝となります。作者にはこれを埋める義務があるはずです。もしも無いのなら、読み手のいないチラシの裏にでも書けばいい話です。

 こういう溝は多くあります。原作IF物だとか、転生パロだとかそういうものです。もっと細々とした点でいうと、「原作の時系列で言えばどの時点になるのか」ということもあったりします。

 この手の溝がはっきりと意識されてしまえば、読み手は白けます。「こういう原作の二次創作を見たかったのに、この作者は頓珍漢な話をしている」と思われれば、読み手にとっては苦痛でしかないからです。だから書き手に必要とされるのは、原作を意識しているであろう読み手を、どれだけ溝を感じさせないようにしながら自分が書きたい話に導くか、なのです。

 溝が大きい作品を作る人には、時たま「好きだから良いんだよ」と言う人がいます。それはそうなのですが、僕が言いたいのは「やるな」ではなく、「説明をしろ」という点なのです。良いとか悪いの話はしていません。その人が言う「好きだから」という部分が全く読み手に伝わらないのが問題なのです。せっかく作者さんが好きだと声高に言う要素なのだから、もっと具体的に「好きだと思う理由」となる部分を説明してれれば良いんです。「この原作でこれはこういう部分だったから、僕はこうなると思う。だから好きなんだよ」という事さえ言ってれれば、ほとんどの問題は解決します。

 はっきりと言いますが、原作に無い要素(例えば原作に無いカップリング)を押し出して、その要素自体に文句を言われた場合、それは作者の説明が下手くそだからです。受け入れて貰えなかったとかそういう問題じゃありません。説得するための言葉を尽くせなかった作者の問題であり、それは文章を中心とした創り手としては落第と言うべき事態です。「面白い」とか「好きだ」と自分で思っている事を伝えられないという、決定的な能力の欠如です。

 この問題は「話の展開がつまらない」と良く似ていると思われるかもしれませんが、少し違います。「話がつまらない」とは、読み手が作品の状況を理解できても、面白いと思ってくれなかったということです。キャラの動きや心情が理解可能であったとしても、読み手の感性を動かすほどでは無かったということです。一方で「説明不足」とは、そもそも読み手が創作の意図を根本から理解できないという場合です。そもそもどうしてそのキャラがそこにいるのか分からないだとか、ひどい場合は本当に自分が知っている原作のキャラと同一人物なのかすら疑わしい、というレベルの話です。言ってみれば、「説明不足」は「話がつまらない」以下の問題なのです。

 許容できるキャパが全体的に大きい二次創作において、「話がつまらない」は「悪い」とまでは言われません。二次創作において悪い創作物とは基本的には「説明不足すぎて作者の考えがまるで分からない」という物を指します。いわゆるU-1だとかメアリー・スーあたりが代表格です。繰り返しますが、主人公が最強になったりするのが悪いわけじゃありません。作者がそれを良しと思った理由が伝わっていないのです。もっと言うならば、あえて原作を無視した要素を入れた理由が、読み手にはわからないからです。

 二次創作を読みたい読者のほとんどは、原作という足場から出発しています。けれど唐突にその足場が失われれば、戸惑いそして深い闇に落ちていくでしょう。それを嫌うからこそ、読み手は原作からどうその二次創作物へと続いているかを気にするのです。書き手は少なくとも、自分が書きたい話へと誘導するハシゴくらいはかけてあげなければなりません。

 

 原作を無視した要素とは、その作者が自分で書きたい要素、とも言い換えれるかと思います。だからこそ、それを読み手へと伝える努力を怠ってほしくないと思います。せっかくその人が「面白い!」と思った要素なんですし、伝わらなかったらどちらにとっても損でしかありません。そういう意味でも、説明をしない二次創作こそが悪い、と言えるかと思います。

 この問題の解決に具体的な処方箋は僕の中にありませんが、とにかく「伝わっているか?」と一歩引いて考えてもらうのが大切だと考えます。思った以上に自分が考えている情景は相手に伝わっていないと、自らを戒めることだけが解決に繋がるのではないでしょうか?

 

 説明をきちんと言葉を尽くしてしているのならば、よっぽどの事が無い限り、「お前のSSは駄目なSSだ」とは言われないでしょう。あと経験談ですが、とにかくきちんと説明しようとすればだいたい文字数も多くなって「濃厚な作品」と言われる頻度が増します。

 相手が同じ原作を知っているからと油断していないか? と問いかける所に、大切な何かがある気がしてならないのです。